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3Dプリンタ、私の選んだ1台

このコラムでは、実際の3Dプリンタユーザーにご登場いただき、購入のきっかけ、導入時の苦労、トラブル、業務上での貢献度、導入の満足度、今後の課題やリクエストなどを語っていただく。ユーザーから次のユーザーにバトンを渡していただくリレー形式のユーザー事例となります。

 

 
 

3D Printer My Selection

第5
「ANYCUBICを子供たちの
ゆるキャラ塗り絵に活用

落合孝明/株式会社モールドテック代表取締役

1973年生まれ。株式会社モールドテック代表取締役(2代目)。本業の樹脂およびダイカスト金型設計を軸に、中小企業の連携による業務展開を模索している。町工場が連携し創り出す文房具・雑貨ブランド「factionery」の企画・運営を行っており、その中のプロダクトの1つ「CLIP」が第27回文具大賞を受賞する。著書に『金型設計者1年目の教科書』(2014年、日刊工業新聞社)、『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(2016年、日刊工業新聞社)がある。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~m-tec/
http://www.factionery.jp/

 



 

●落合氏の使用3Dプリンタ
2014年 Afinia H480
2016年 CUBE X(いただきもの)
2017年 UPmini2
2018年 ANYCUBIC i3 Mega


はじめに

株式会社モールドテックの落合です。株式会社といいつつも従業員は3名。しかも全員身内という小さな小さな設計屋です。設計というとよく建築設計と間違われることが多いのですが、弊社が得意とするのは射出成形金型の設計になります。ちなみに私は2代目になります。跡を継いだのは2010年ですから、かれこれ8年になります。

この8年で仕事の内容は非常に多様化し、金型設計だけしてればいい時代ではなくなってきました。そんな多様化していく要望に応えるためにも3Dプリンタはなくてはならないものになったのです。

設計屋としての活用

今までの弊社の仕事は、客先から来た製品データを元に金型設計をしていくとういものでした。金型として成立させるために多少の形状変更を求めることはありましたが、基本的には客先支給のデータを使用していましたのでパソコンの中で完結できました。

ところが2012年頃から起こったメイカーズブームによって、モノ作りのハードルが下がったことで、金型だけでなく、モノ作りそのものを知らない人からの問い合わせが急増してきました。

「こんなもの作りたんだけどどうやって作れば?」

そんな問い合わせが増えてきたのです。当然ですがそこには今までのような整ったデータはありません。ヒヤリングや手描きのイラストから3Dデータを作成する機会が増えてきました。そうなってきますとパソコンの画面だけでは微妙な変化はなかなか伝わりません。

そこで3Dプリンタの出番です。数パターン出力し、実際に見た目や手にとった感触を直に確かめてもらうことでお客様が求める形状をずれなく表現します。

正直、金型は高額です。金型を製作してから形状を変えるとなるとかなりの費用と時間がかかってしまいます。金型の製作に入る前にこうやって製品の形状を確認できることはお互いにとって非常に有益で助かっています。


▲試作事例:「シャワーヘッド」。Illusoratorのデータから10パターンほどモデルを作成し、3Dプリンタで試作・形状確認を行った(右の写真)。(クリックで拡大)
 
▲(クリックで拡大)


ゆるキャラをプリントする

このように形状確認のためのツールとして導入した3Dプリンタですが、低価格のものでも造形がかなりきれいになってきました。実際、展示会のモックなど、3Dプリンタで製作したものを最終製品として納める機会も増えてきました。

その中で今、力を入れているのが「ゆるキャラ」です。大半のゆるキャラは3Dデータ化されていません。そこで弊社で3Dデータを作成しそれを3Dプリンタで出力しています。私の住んでいる神奈川県藤沢市とその近隣の座間市では、その3Dデータが無料で公開されています。自治体のゆるキャラで3D化されているのはかなり珍しいのではないでしょうか?

藤沢市ゆるキャラ「ふじキュン」
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankou/fujikyun.html
座間市ゆるキャラ「ざまりん」
http://www.city.zama.kanagawa.jp/www/contents/1526352588981/index.html


▲「ふじキュン」。(クリックで拡大)
 
▲「ざまりん」。(クリックで拡大)


弊社では、このデータを利用して3Dプリンタ製の立体塗り絵をワークショップとして開催しています。プリントしたものそのままですと色がうまくノリませんのでサーフェイサーを吹き付けたキャラクターを市販の油性ペンで塗ってもらうのですが、なかなか立体を塗るという体験が珍しいのか、どの子も夢中で塗ってくれます。いや、子供だけでなく大人もかなり夢中になります。

こちらとしても、実際に3Dプリンターに触れてもらうことで子供がモノ作りに興味をもつきっかけになってくれればと思っています。

このワークショップは何気なく始めたのですが、ありがたいことに3Dデータの作成も含めて、いろいろとお問い合わせをいただいています。

問い合わせいただいている方は、今までモノ作りとは縁のないような方々が多く、もしかしたら、この活動が良い意味でモノ作りのハードルを下げてくれ、今までと違った方向の仕事が生まれるのではないかと少し期待しています。


▲子供たちによる立体塗り絵。(クリックで拡大)
 
▲色とりどりのふじキュン。(クリックで拡大)

3Dプリンタの遍歴

今となっては業務に欠かせない3Dプリンタですが、最初の1台目は実はかなり悩みました。「本当に必要か?」「必要に応じて外で頼めばよいのではないか?」結局、これからの将来を考えると手元で形状確認できる必要ありと判断し購入したのが「Afinia H480」(約15万円)でした。当時、この価格帯の3Dプリンタがいろいろと出始めた時期でしたが、信頼できる方からのアドバイスもありこの機種に決めました。結果として、セッティングの簡易さ、造形の精度などかなり満足のいくものでした。

そのうち1台だけではどうにも仕事が回らなくなってきたため導入したのがAfinia H480の後継機種でもある「UPmini2」になります(その間で「CUBEX」を導入してますが、こちらはいただきものでほとんど使用してないので割愛します)。

後継機種だけに使いやすさはそのままで造形精度がかなり上がりました。

Afinia H480、UPmini2は130mmぐらいの造形範囲ですが、それよりも大きい造形が必要なことが増えてきました。そこで導入したのが「ANYCUBIC i3 Mega」になります。これまでの流れから、UPmini2と同じメーカーで造形範囲の大きなUPboxと悩みましたが、決め手になったのは価格です。

UPboxが40万円程度なのに対してANYCUBIC i3 Megaはなんと5万円。試しに購入してみる価値は大いにありました。正直UPシリーズに対してセッティングの手間はかかりましたが、造形精度は悪くなく、十分満足のいくものでした。

現在はUPmini2とANYCUBIC i3 Megaを用途に合わせて使っています。


▲現在のメイン機種。「UPmini2」。(クリックで拡大)
 
▲同じく稼働中の「ANYCUBIC i3 Mega」。(クリックで拡大)


おわりに

3Dプリンタは低価格で仕上がりのよいものがどんどん出ています。最近では光造形の3Dプリンタも10万円を切りました。

それがいいことなのか、悪いことなのかは自分には分かりませんが、確実に言えるのは3Dプリンタを持っていることが付加価値になる時代ではありません。「どのように活用していくのか」その一言につきるのでないでしょうか?

所有しているだけではただの置物になってしまいます。「使ってなんぼ」です。低価格な3Dプリンタは材料費などあまり気にせずに良い意味で無駄遣いできます。いろいろと使い倒してみて、そこから新しい活用方法が見つかると思いますし、そうしていきたいと思っています。



次回は高橋浩二さん(K.Tea's Lab)です。7月下旬掲載予定。
(2018年6月26日更新)


 

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