●知人の遊び方をヒントにポッドレーサー(?)化
今回は、少し前に入手した小型ドローン、Tello(テロ)について思いついたことを3Dプリンタを使って実現してみた話をしよう。
筆者はドローンに関して、現在のコンシューマー向けドローンの火付け役となった仏パロットのAR.Drone以来、いくつかの製品を購入し試してきたが、航空法などの規制が厳しくなってからは少し遠ざかっていたところがあった。
久しぶりにTelloを購入した理由としては、グラフィカルなプログラミング環境のScratchを使ったコントロールが可能なために仲間内で入手する人が増え、これでレースをしたら楽しそうだと思ったことや、1万3千円弱という価格の割に性能が高かったことが挙げられる。
そして、先にTelloを購入した知人が、LEGOのミニフィグをテープなどでTelloに固定して、スターウォーズのポッドレーサーよろしく遊んでいるのを見て、それならばアダプタパーツを作り、簡単にブロックなどでカスタマイズできるようにしてみたいと考えたのだった。
写真1:ライズという会社がドローンの大手メーカー、DJIの技術協力を得て開発したTello。筆者のユニットは、上面カバーを黄色に塗装し、プラモデル用のデーカルを使ってカスタマイズしている。(クリックで拡大) |
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この種のアダプタを自作する場合、取り付け方が問題となる。簡単に脱着でき、傷などもつけずに済む方法を考えた結果、Telloのボディ側面の凹みなどを利用して固定できるような爪を、アダプタ側に設けることにした。
また、パーツ自体は小さく、さほどプリント時間もかからないので、仲間内の分もプリントして配布することにした。
設計に利用したCADは、おなじみのTinkerCAD。プリンタは、XYZプリンティングの「da Vinci Jr. 2.0 Mix」である。また、サポート材をつけると後処理が厄介なので、それなしで出力できる形状のパーツ4つに分け、後から接着して完成させる方法を採った。
中央部のアダプタは上面から装着し、前端部のアダプタは筐体の下面から取り付けるようになっている。安価なFDM(熱溶解積層)方式の3DプリンタではLEGO並みの精度は期待できないため、互換パーツの上に純正のLEGOパーツで一番薄いものを取り付けてから、実際のミニフィグなどを固定することを前提とした。
写真4:機体中央部用のアダプタパーツを取り付けたところ。(クリックで拡大)
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写真5:機体前端部用のアダプタパーツを取り付けたところ。(クリックで拡大)
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Telloには、ミニフィグ+αの付加物があっても、そこそこ安定して飛行できるパワーがある。ただし、重心位置が操縦性に大きく影響するため、中央部の付加物はさほど問題ないが、前端部の付加物は極力軽くコンパクトに仕上げたい。
そこで、安価な100円ショップのミニチュアブロックを利用することにした(ちなみに、ダイソーとセリアのミニチュアブロックはよく似ているが、微妙に互換性がない。LEGOと相性が良いのは、セリアの製品だ)。
3Dプリンタは、まとまった作品の出力などにも使えるのはもちろんだが、連載初回にも書いたように、既存の何かを自分なりにカスタマイズしたいという場合にとても重宝する。
次回は、再び100円ショップのアイテムと3Dプリンタパーツを組み合わせて、Telloでのレース用のコースマーカー的なものを作った顛末を紹介する予定だ
。
次回は9月中旬掲載予定です。
(2018年8月22日更新)
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