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3Dプリンタの明日を妄想する

本コラムでは3Dプリンタに関係する業界のオピニオンリーダーに、3Dプリンタの現在、未来を語っていただく。明日は誰にも分からない。だからこそ、夢や妄想が明日を創る原動力になる。毎回、次の著者をご指名していただくリレーコラムなので、さまざまな視点での3Dプリンタの妄想をお楽しみください。

 

 
 

Imagination for 3D Printer

第37
コマ撮りアニメに活用する
3Dプリンタ

横山あゆみ/特殊造形

フリーランス造形屋。大学卒業後すぐにコマ撮り業界に飛び込む。現在は主にコマ撮りアニメーションのプロップを作っている。3D CGは独学でblenderから始めて最近はzbrush、Fusion360も勉強中。

 


●コマ撮り撮影、小道具と3Dプリンタ


コマ撮りアニメーションとは1コマ1コマ人形を動かし撮影し、それをつなげて動画にしていくアニメーションの手法です。いろいろな表現方法があるので一概には言えないのですが、撮影にはキャラクターや美術を実際の立体物として作ります。

コマ撮りの世界でもいろいろなセクションで3Dプリンタが使われるようになってきました。私は特に小道具製作でとてもお世話になっています。

例えば、1本の作品を複数班で分担して撮影を進めていく場合、撮影スケジュールによっては同じ小道具を同時に複数使用することもあります。

小道具を複数作るのに、以前だったら原型を作って、シリコンで型取りし複製していくという工程がありましたが、今では3Dプリンタで同じものを同時に出力します。型取り、複製の工程を丸々省略できてしまうのです。


どこでも公園象、同じものを同時に出力した(クリックで拡大)
どこでも公園象の出来上がり(クリックで拡大)

また、撮影カットによっては小道具のアップという場面も出てきます。人形サイズの小道具だと粗さが目立ってしまうこともあるので、その場合は3D CG上でサイズを大きくして出力するなんてこともします。2つ以上サイズを作るのが容易になりました。

●低価格機「phrozen sonic mini 4K」

最近の3Dプリンタは、2万円~10万円くらいの個人にもお手頃な値段の機種も出てきました。

うちにはphrozenの「sonic mini 4K」という機種があります。初めて触った3DプリンタがForm2だったものですから、購入当初はその感覚で自動でサポートをつけて印刷ボタンをポチッと押していました。サポートだけを残して肝心のブツが印刷されていないとか、一見印刷成功しているように見えて裏側がめちゃめちゃに歪んでたとか、そういったものを大量に生み出しました…。


ワクワクで蓋を開けて何もなかった時の絶望感。出力できてると見せかけて歪んでることもよくある(クリックで拡大)

歪んだ出力の一例(クリックで拡大)

なかなかに扱いが難しく、きっちり設定した単位で少しの歪みなく出力することに未だ至ってないですが、レジンの種類が豊富ですし、また混ぜて使用することも可能なので重宝しています。


クリアレジンとホワイトレジンを混ぜてみた(クリックで拡大)



クリアレジンとホワイトレジンを混ぜて乳半表現もできるので、そこだけ異種素材に置き換えるという手間も省けます。

混ぜたレジンで出力した看板。透過率も混ぜる比率によって変えられる(クリックで拡大)


看板内部にライトを入れて点灯。半透明感がよい雰囲気(クリックで拡大)



コマ撮りの小道具は軽いことが第一条件ですので、最近は薄くて軽い、それでいて丈夫なレジンを探す旅に出発しようかな、などと考えてます(さらに身体に有害な成分が少ないとなお良いのですが)。


●今のプリンタから未来のプリンタに想いを馳せる


サポートの付け方一つで出力に失敗したり、歪んだりするのであれば(失敗の原因がサポートだけとは限りませんが)、いっそのことサポートを付けずに出力できるプリンタが一般向けにも出てくるといいなぁと妄想しています。サポート跡をきれいにしなくていいですし。

箱型のものにレジンをいっぱいに詰めて360度全方向から一気に照射…したらどうにかうまくできないもんでしょうか? どうやってその座標に光を留めるのかってことは考えてないです




次回の執筆は土江田賀代さんです。
(2021
年8月20日更新)

 

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