●デジタル造形と3Dプリンタ
以前、原型はスカルピーやファンド、NSPなどで制作していました。その頃から、ZBrushでラフスケッチのような造形を行ってから、それを見て本番の粘土造形を行うこともありました。
ですが原型を制作するまでにはいたらず、しばらくZBrushを寝かせてしまいました(その時は粘土で仕事をすることにこだわりすぎていたように思います。屋号がねんど星人ですし)。
2年程前からZBrushを再開し、原型はデジタルデータで納品することの方が多くなりました。データであれば海外への納品もスムーズで非常に便利です。粘土も3Dもそれぞれ良いので、今後は目的に応じて使い分けていきたいと考えています。
2021年は、出力を自宅でも行いたいと思い「Saturn」を購入し、2022年は「Saturn2」を購入しました。3Dプリンタ導入後は、出力した原型の納品も行っています。
作品その1
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作品その2。(クリックで拡大)
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●創作活動における3Dプリンタ活用
現在、私個人の創作活動では、ZBrushで制作したデータを出力後に、布やフェイクファー、レザーなどから作った服や小物を出力品と組み合わせて作品を制作しています。
出力する際は2セット用意します。1つは作品として塗装していきます。もう1つは服を作るための台として使用します。3Dプリンタによる出力モデルであれば、粘土のように細くて折れやすいパーツや、布やフェイクファーが制作中にすれて塗料がはがれたりすることに気を使わずに作業を進めることができます。
また、粘土で原型を制作していた時は小さいパーツ(ティラノサウルスの前肢など)を分割して仕上げている最中に机の下に転がってしまい、もう帰って来ないという経験を何度もしました。3Dプリンタを導入してからは、なくしそうな小さなパーツも複数出力できるのでとても助かります。
データがあれば同じものをいくつでも出力できることは3Dプリンタとしては当たり前の話ですが、とにかく便利で感動しました。
仮のパーツを組んだ土台で、服を制作
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各パーツ2セット用意する。(クリックで拡大)
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塗装し、服を着せ完成
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完成状態のアップ。(クリックで拡大)
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上の作品のパーツ(頭部)を塗装中
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●出力サイズと解像度の両立を
妄想や期待することといっても、まだ知らないことだらけですし、試したことのないものの方が世の中に多いので何ともいえません。
しいて言うなら、現状でもとても高解像度ですが、3Dプリンタの出力サイズと解像度の両立や、高解像度でありながら目的に合った性質(柔軟性や切削性など)のレジンが使いやすい価格で市販されてほしいと思います(現状すでに10万円以下の3Dプリンタに大活躍してもらっていますが、分割して出力する場合があります)。
そうなれば極端な話ですが(ココからは妄想です)、3Dで制作した怪獣の着ぐるみを高解像度で出力し、それを実際に着て動けるというようなこともできるのではと思います。そうなれば最高です(レジンを何リットル使うんだ…とは思いますが)。
以上です。ありがとうございました。
次回の執筆者は決まり次第追記いたします。
(2022年12月23日更新) |