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3Dプリンタの明日を妄想する

本コラムでは3Dプリンタに関係する業界のオピニオンリーダーに、3Dプリンタの現在、未来を語っていただく。明日は誰にも分からない。だからこそ、夢や妄想が明日を創る原動力になる。毎回、次の著者をご指名していただくリレーコラムなので、さまざまな視点での3Dプリンタの妄想をお楽しみください。

 

 
 

Imagination for 3D Printer

第69
アナログ製作から
Zbrush、3Dプリンタへ

カズマタイキ/キャラクターモデラー

多摩美術大学彫刻科卒業。学生時代は主に紙や金属を使ったミクストメディア作品を製作。卒業後ゲーム会社へキャラクターモデラーとして3Dモデリングを学ぶ。現在はゲーム製作で培った経験を元に原型製作会社に勤務。おもちゃと映画とトカゲが好きです。
X(Twitter):@Kazma_Taiki



 

●3Dプリンタとの出会い

学生の頃は粘土や紙、金属鋳造などのアナログ製作をしていたので、デジタルとは無縁な日々でした。経験のないデジタルへのふんわりした憧れからゲーム会社に就職し、そこで初めて3Dモデリングに触れました。中でもZbrushを用いた造形が楽しく、個人のPCを買うまではほぼ毎日会社に残ってモデリングをしていました。

先輩に製作したモデルを出力してもらったのが3Dプリンタ出会いのきっかけでした。想像していた以上に精度が高く、とても感動したことを覚えています。その後、PC、液タブ、3Dプリンタを勢いで購入し、今に至ります


初めての3Dプリント作品 「黒鉄丸」。(クリックで拡大)


●3Dプリンタの苦労

3Dプリンタは、昨日まで画面にあったデザインが翌日には実際に手に取ることができるなんて夢のような機器だと思います。しかし、3Dプリンタとデータがあれば誰でも簡単に出力できる! そう思い込んでいる人もたまにます。そんな単純ではありません。出力用にデータを分割、各パーツの細い箇所や薄い箇所の調整 サポートの位置 プリンタの出力調整…。他にも書き出せばきりはありませんが、それらをクリアして初めてキレイな出力品に出会えるのです。

●3Dプリンタの課題

毎年各メーカーが新機種を発表し、目まぐるしく進化してる3Dプリンタですが、サポート跡の処理についてはまだまだ苦労している方も多いと感じています。水溶性サポートなどが一般的に普及してほしいなと日々思っています。

●3Dプリンタに期待すること


精度の高いフルカラープリンタの普及を期待しています。素材ごとに質感なども調整できると、なお嬉しいですね。今後、まだまだ発展していく業界だと思いますので、楽しみつつも振り落とされず食らいついていきたいです。


「刻み牙ギル」。狼×西部劇をモチーフとした作品。フルカラープリンタ出力品に追加塗装を施しています。(クリックで拡大)


「セイラン」。中国古代青銅器をモチーフとした作品。3Dプリンタ出力品。(クリックで拡大)


「スキュアヘッド」。宇宙整備ロボです。3種のレジンで構成された3Dプリンタ出力品。(クリックで拡大)

「ロピアタン」。カプセルトイ化された自身の代表作です。はじめて自身で購入した3Dプリンタで出力した作品。(クリックで拡大)

 



次回の執筆者はナカシーさんの予定です。
(2024
年6月7日更新)

 

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