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3Dプリンタの明日を妄想する

本コラムでは3Dプリンタに関係する業界のオピニオンリーダーに、3Dプリンタの現在、未来を語っていただく。明日は誰にも分からない。だからこそ、夢や妄想が明日を創る原動力になる。毎回、次の著者をご指名していただくリレーコラムなので、さまざまな視点での3Dプリンタの妄想をお楽しみください。

 

 
 

Imagination for 3D Printer

第71
複製から出力品への移行

monyura/造形作家

デザイン系専門学校にてイラストやデザインを学んだのち、グラフィックデザイナー、書店員兼バイヤーを経て造形業界に転身。造形会社にて映像関係の人形劇をメインとしたデザイン、人形制作、美術小道具制作を経験 後、現在は原型制作会社にて商業フィギュアやカプセルトイのフィニッシャーを本職としながらオリジナル作品を制作しています。
映画と音楽とむちむちした生き物が好きです。
X(Twitter):@monyura_miori



 

●3Dプリンタとの出会い

学生の頃から石塑粘土やスカルピーでの造形とシリコンでの型取り、レジンでの複製を始めました。その後、造形会社に勤めていた頃にiPad用アプリの「Forger」や「Nomad Sculpt」で3D造形の練習を始め、会社で「Zbrash」を学ぶ機会をもらい勉強を進めました。

そのころ会社に3Dプリンタが導入され、初めて利用することになりました。


石塑粘土で原型を制作しレジン複製した作品たち(上段:ベロミちゃん、下段中央:モンメメちゃん、下段左右:モチモちゃん)。(クリックで拡大)


●初めての3Dプリント

手原型で作ってきた今までの作品と雰囲気が変わってしまうのではないかと最初は不安でした。しかし、初めて3Dプリントしたシュモクザメモチーフの「シュモちゃん」という作品で作品の統一感が取れたことで不安が消え、むしろもっと色々なものを出力したい!というワクワクに変わったのをよく覚えています。

現在では3Dプリンタの使用がメインになり、出力品を磨いて塗装し完成品に仕上げてイベントや通販で販売しています。



初めての3Dプリント作品「シュモちゃん」。(クリックで拡大)



●3Dプリンタの苦労と今後への期待

プリンタでの苦労というには間接的ですが、データ原型でも手原型の良さを残したいので、左右対称すぎない造形をあえて自分の作品では心がけています。

現在の仕事柄、日々3Dプリント品の積層痕とサポート痕磨きに時間と労力を費やしているので、新機種が出るたびに出力が綺麗になっていることは重々承知なのですが…FFF方式にすでにあるような水溶性サポートが光造形でも使用可能になり磨きにかける時間が更に短縮されると嬉しいです。

また、柔らかさと強度のある素材での出力で作品のもちもち感をより生かせそうなものは今後試してみたいです。


2023年に発売した初のカプセルトイ「モニュラモンスター」。(クリックで拡大)



新作のミドリフサアンコウの「フサコちゃん」。(クリックで拡大)

ウミウシモチーフの「ウミャラちゃん」。(クリックで拡大)


ペットのツノガエルがモチーフの「ズンちゃん」。(クリックで拡大)

ナメクジモチーフの「ナメちゃん」。(クリックで拡大)


ペンギンモチーフの「プンぺポちゃん」。(クリックで拡大)





次回の執筆者は三条獅子有忠さんの予定です。
(2024
年8月9日更新)

 

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