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海外3Dプリンタの最新トレンド
-CES 2018報告会(1月25日)より- (2018/2/1)
 
  From CES 2018

1月8日~12日までアメリカのラスベガスで開催された「CES 2018(Consumer Electronics Show)」。この世界最大の先進技術の見本市の現地レポート報告会が1月25日、東京・渋谷のFabCafe MTRLにて行われた。報告会は前半がITジャーナリスト林信行氏によるCES全体のレポート、後半がデジネル/デジタルアルティザンの代表取締役、原雄司氏による3Dプリンタの展示にフォーカスしたレポート。ここでは原氏の報告から主要部分を抜粋し、海外の3Dプリンタの最新事情をお伝えする。


 


●多様化する3Dプリンタ

CES2018ではコンシューマ向けの製品は減少。新規参入のメーカーも増えて、ビジネスユースを前提に、低価格フルカラー機、切削機との複合機、超高速機などが登場した。また本年は3Dプリンタ関連の展示がメイン会場のLVCCとなり出展社数も88社と増加している(昨年56社)。以下出展メーカーごとに3Dプリンタのトレンドを見ていこう。

○SparkMaker(中国)
500ドルの光造形3Dプリンタ。それほど高精細ではないが、日本で約5万円前後の低価格となる。材料に光硬化樹脂を使用しているが、こういった樹脂の出力物は口に入れたりしないように注意が必要。今後、アレルギー問題などが現実的になってくる可能性もある。


▲SparkMakerの低価格光造形3Dプリンタ。(クリックで拡大)

○formlabs(アメリカ)
3、4年前にベンチャー企業として登場し「form 2」が人気のメーカー。今回は3Dプリンタを複数台並べた自動生産システムを展示。メーカーや企業向けにアピールしていた。


▲formlabsの自動生産システム(クリックで拡大)

○XYZPrinting(台湾)
FDM方式のフルカラー3Dプリンタを展示。すでに678,000円で日本でも発売中。フルカラーの低価格3DプリンタはXYZPrintingが一番最初に投入してきたことになる。また業務用で石膏に糊とインクを吹き付けて積層していく3Dプリンタもデモ。リリース時期はまだ不明だが、数100万円クラスになると予想される。


▲XYZPrintingのカラー3Dプリンタで出力。髪の毛は後処理している。(クリックで拡大)


○DWS(イタリア)
ジュエリー向けの3Dプリンタを展示。速度は遅いが、高精度のモデルを造形できる。


▲DWSで出力したジュエリーモデル。(クリックで拡大)

○ETHEREAL MACHINES(インド)
5軸切削機と3Dプリンタの複合機を展示。ソフトウェア、CAM関係も独自で開発している模様。華奢な筐体なので、プロユースとしても数100万円クラスの製品と思われる。


▲ETHEREAL MACHINESの5軸切削&3Dプリンタのデモ。(クリックで拡大)

○HWATEC(中国)
5軸切削加工+自動塗装、さらに導電材を3Dプリント。なんでもありのマシンで、3Dプリンタの今後の方向性の1つを提示している。


▲HWATECの塗装まで行う多機能3Dプリンタ。(クリックで拡大)

○UNIZ TECHNOLOGY(アメリカ)
超高速で造形可能な光造形3Dプリンタを展示。20センチ/1時間、1000cc/1時間というスペックで3,499ドル。これはformlabsのSLA方式の「form 2」のライバル的マシンで、光硬化樹脂によってハイスピードの造形を実現。例えばショップなど、その場で造形して販売するようなことも可能になるかもしれない。

高速性ではCarbon 3Dなども先行しているが、こういったミドルクラスはだいぶ進化してきている。


▲UNIZ TECHNOLOGYはハイスピードが魅力。(クリックで拡大)

 

●最終製品の造型を目指す金属3Dプリンタ

金属系の3Dプリンタは試作用から最終製品造形へ向かっている。日本で金属3Dプリンタは、工作機械メーカーの重厚長大な数千万円のマシンを導入しているが、CESでは1,000万円以下のマシンが展示された。

○Desktop Metal(アメリカ)
「Desktop Metal Studio System」は、金属材とセラミック(サポート材)を一緒に造形し、それを焼いて完成させる。金型レスで鋳造可能だ。収縮率の計算、この3Dプリンタを使う際の特有の設計が課題と思われる。


▲Desktop Metalの金属モデル。焼いて仕上げる。(クリックで拡大)


○Print-Rite Holdings(香港)
同社のCollide Metalは「AMSS(Additive Manufacturing Selective Sintering)」という、鉄のフィラメントを熱して金属を造形する方式。表面はガサガサの仕上がりだが、こういったニーズもあることが伺える。ここから進化の可能性があるかもしれない。


▲Print-Rite Holdingsが用いる鉄のフィラメント。(クリックで拡大)

○MarkForged(アメリカ)
同社は、カーボン、ケブラー、グラスファイバー、ナイロンFFFなどを材料に造形できる3Dプリンタで有名。試作ではなく最終製品を作るための3Dプリンタであることをアピールしていた。同社の金属3Dプリンタにはスキャナもついていて、収縮率などチェックしながら造形する仕組み。金属粉末、バインダーで造形して、後で焼いて仕上がりとなる。強度はかなり高い。


▲MarkForgedによるさまざまな材料の出力物。(クリックで拡大)

○AIRWOLF 3D(アメリカ)
パーツのカスタマイズ用の3Dプリンタ。ガレージ文化というか、自分でクルマなどの改造がしたい人たちには意外と人気。


▲AIRWOLF 3Dでパーツをカスタマイズ。(クリックで拡大)

○ダッソー・システムズ(フランス)
同社は自動車用のCAD、CATIAで有名だが、CES 2018ではサックスのリード部分を奏者に合わせてカスタマイズするサービスを展示。解析ソフトも使って造形しているようだ。


▲ダッソー・システムズがサックスのリードをカスタマイズするサービスを。(クリックで拡大)

○LOCAL MOTORS(アメリカ)
同社のAIによる自動運転シェアバス「olli」は、ボディの90%以上を3Dプリンタで出力している。世界で一番最初に3Dプリンタによるボディ、パーツで組み立てた自動車を販売した会社だ。ボディは超大型3Dプリンタで造形している。


▲LOCAL MOTORSによる自動運転シェアバスのデモ。(クリックで拡大)

 

 

●CES2018のまとめ

2015年の3Dプリンタブームの頃はフードプリンタや3Dプリンタで作った楽器など華やかな展示だったが、今回はコンシューマ向け製品はほとんど見当たらず、製造業向けの実用一点張りの展示だった。それもエンタープライズよりではなく、個人レベルの事業主、大手企業の1セクションで導入できるクラス。用途も試作用から少量生産の製品用を意識したマシンが多かった。

大手のストラタシス、3Dシステムズは出展していなかった。両社は現在、ハイエンドの生産の方に注力しており、台数が一番出るメインストリーム、ミッドレンジは、formlabsなど新進のメーカーが中心となっていた。

また3Dスキャナ関連は、人体の全身3Dスキャナーがまだまだ人気。また、商品を3D化したいというニーズに向けて、寸法精度は保障できないが工業用の測定方式でカラーの解像度のテクスチャをつけるフォトスキャンも低価格化が進む。VR用途としてのニーズも増加しているようだ

●3Dプリンタ市場の今後の成長予測

2018年の世界的な市場予測は約120億ドル。
2021年までに約200億ドル。
5年の年平均成長率(CAGR)は20.5%と予想。
低価格のエントリーモデルは教育用以外は減少し、数10万円~2,000万円台が主流になると思われる。
(2018年1月発表のIDCの予測データより)


 

 

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